忘却の岬

先日放送された「安楽椅子探偵7 忘却の岬」を見ました。
ミステリの問題編を放送して推理を募集するという番組です。


あまり、こういうのは表に出すのはよくないと思いますが
折角推理したので、回答期限も過ぎた事ですし晒してみます。


推理が外れてたら、みんなで罵ってくださいね♪




「忘却の岬における私の推理」
潮野敦夫殺人事件が1992年の6月26日に起こっているので
「時効の停止」「時効の中断」が行われていない限り
2007年の6月26日にその事件は時効を向かえる。
父殺しの指名手配犯として逃亡生活を送っていた卓也だが
2007年6月13日、時効を直前に向かえ
真犯人を見つけ出そうと密かに海馬地区へと戻ってきたが
事故で記憶を失ってしまった。


卓也を指名手配人物と知る輝明は卓也を発見したとき
まずは警察ではなく正太郎に連絡した。


潮野敦夫殺しの真犯人をかくまう正太郎は
潮野敦夫殺人事件の時効がもうすぐ成立するという時期に
卓也が帰ってきて騒ぎになり、警察が来ては困る為
海馬地区が辺鄙な村という立地と卓也が記憶喪失という状況を
利用し、時効成立まで音便に済まそうと村人と口裏合わした。
テレビと電話を隠したのは外部情報に触れ
卓也が記憶を取り戻すのを恐れてのこと。


恐らく村人は潮野敦夫殺人事件の犯人は卓也と思っており
口裏を合わせたのは正太郎の指示があったからで
他の村人は真犯人をかくまう故意はない。


17日の新聞に、16日の23:07に海馬地区で震度3の地震があった
という報道があり、その時間帯に地震が起きたという描写はないが
これは誤誘導。
正太郎の証言で宗谷邸は免震改装しているのがわかっている為
あまり大きな地震に感じなかっただけ。
墓参りに行ったとき卒塔婆が倒れていたこと、地震によって地盤が弱くなり
台風のきた23日に土砂崩れが起きたこともそれで説明が付く。


同じく新聞に、18日は降水確率80%で雨となっていたのに
18日に雨が降っていないのも誤誘導。
単に天気予報が外れただけ。


「2008年の四月に開通するんですね」「一本道」と卓也が
言ったときに、周りの表情が変わるのは
「2007年と嘘を付いている」と思わせる誤誘導。
2007年なのでトンネルは出来ていない。
舞台が2008年で
トンネルが出来ていて、海馬地区へのルートがもう一つあるなら
土砂崩れのとき、正彦がそれほど心配するとも思えないし
泰江も食料のストックがあるとは言わないだろう。
トンネルルートで買い物に行けばいいのだから。
正太郎が五月分のトンネル工事資材費の経理をしているところから
「2008年の四月を過ぎてもまだトンネルが開通していない
 工事が遅れている。なのでみんなの表情が変わった」ともとれるが
それだけで2008年とは断定出来る材料ではない。


オリンピックネタなど
随所に「今が2007年に見せかけた2008年である」という
誤誘導が見られるが、記憶喪失の卓也に2007年と思わせて
得をすることは何もない。
時効の成立した2008年に、まだ時効成立していない2007年と
思わせようとするのは合理的理由がない。


また、6月23日の上弦の月が、2007年の月齢と一致する。
従って、舞台は2007年である。


23日に正太郎が岬に行くと言ったとき、亜紗子が
「よろしいのですか」と確認したのは
時効前だったから不用意な行動はしない方がいいのではないか
という確認。
しかし正太郎は時効成立を目前にして
感傷的理由で現場である岬を見てみたくなった。


まず前提として
卓也とすれ違った23日の17:35には立石は生きていた。
前日22日の「金曜オンエア」という番組で
潮野敦夫殺人事件の時効直前特集を見た立石は
すれ違ったときに卓也が指名手配であると気付いた。
立石は急いでいた為、携帯電話が圏外になっていることを知りつつも
携帯で警察に通報を試みるが、案の定「圏外」で電話は通じなかった。
だから立石の携帯電話に17:36に「110」の履歴が残った。


携帯で通報出来なかった立石は
そこから一番近い宗谷邸に電話を借りに行った。
このとき応対した亜紗子が、通報されるのは危険と判断
屋敷の庭にあった砲台の煉瓦で殴り殺してしまう。
従って犯行時刻は真紀が宗谷邸に帰ってくる直前の17:50頃。
動機は潮野敦夫殺人事件の真犯人である宗谷泰江を守る為。


宗谷邸内で立石を殺してしまった亜紗子は
死体を物置の押入の中の肘掛け椅子に座らせた形で一端隠した。
このとき元々肘掛け椅子の上に置いてあったクリアケースを
人形ケースの上に移動させた為、卓也が物置に行ったときに
人形ケースにかぶせてあった白い布の高さが変わっている。


使用人である亜紗子が夕食前に長時間屋敷を開けることは出来ないので
犯行直後に死体を物置から処分する時間がなかった。
この為、長時間肘掛け椅子に座らされた状態の立石の死体は
そのまま死後硬直することになる。
また、死体と共にあった立石の携帯は着信音が大きい為、
不意に電波状態が復旧して携帯電話が鳴るのは困ると
着信音を聞いたことがある亜紗子の手によってオフにされた。


仕事が終わって時間が空き、亜紗子が死体を処分しようとすると
死体が死後硬直していることに気が付いた。
肘掛け椅子に深く腰掛けたまま
ガチガチに硬直した死体の処分に困った亜紗子は
「忘却の座」に死体を置くことを思い付いた。
死体の硬直の形も一致するし
十五年前の事件で指名手配されている卓也が犯人と
思わせることが出来るかもしれない。
犯行現場が岬であると誤解させれれば、屋敷にいた自分や
屋敷の者が容疑者から外れるかも知れないとの打算があった。
運のいいことに23日の午前中に正太郎の車椅子を押して
岬まで行った亜紗子は、死体を車椅子に乗せて運べば
足跡や轍を誤魔化せるとも考えたのだろう。
しかし、24日に立石を捜索中、皆で足跡を発見したときに
卓也の足跡の上に車椅子の轍があることが
卓也が岬に行った後に車椅子がその道を通ったことを示している。
(その横に花が落ちているのは、番組制作側の誤誘導。
 花に注目させ、轍と足跡の重なりから目を逸らさせるためのもの。
 亜紗子が誤誘導の為に花を置いたとは考えにくい。
 それなら轍を消した方が早くて確実)


死体を運んだのは23日の家事仕事が終わったあとから
24日の朝の仕事が始まる間。
固定電話の中継ボックスを壊したのも同じく。
(推論だか、真っ暗な夜中ではなく、日が昇った後の早朝に
 工作を行ったのではないだろうか)


犯行時刻が、検死の死亡推定時刻より少し早いが
これは、実際には物置の中に置かれていた死体を
気温の低い岬にあったとして
死後経過時間を算出してしまったことによる誤差である。


亜紗子と正太郎は立石殺しの共犯ではないが
潮野敦夫殺しの犯人が泰江と知りつつかくまって
卓也に罪を擦り付けている犯人隠匿罪の共犯。


立石殺し、ベッドへの細工は亜紗子の独断で正太郎は関知しない、
よって単独犯。


亜紗子が18日のベッドへの細工を行ったのは
卓也が記憶を思い出した方が指名手配犯として扱い安く
その方が真犯人への嫌疑が薄まると考えた。
だから卓也の記憶を刺激する為に行った。
ベッドへの細工も、屋敷内で家事をする亜紗子なら容易に可能。
特に「思いだせ」との文字の切り抜きは
新聞のゴミ出しをしている亜紗子なら秘密裏に行うことが出来る。


立石を殺した時に返り血を浴びた亜紗子は着替えをした。
血を拭く為にタオルなども使用したのかもしれない。
そのときに大量の洗い物が発生した。
23日の夕食後に泰江に「洗い物が溜まっている」と指摘されたのはその為。
そしてなにより、血の付いた洗い物を不審がられずに処理出来るのは
屋敷で洗濯を担当する亜紗子以外にいない。


以上の推理より、私は「日向亜紗子」が犯人であるという結論に至った。




解答編の放送は10/10らしいので見ないといけませんね……。